明日から始めよう

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ある男の人生を変えた3.11、その後の人生

これは僕の話ではないのだけれど・・・

ある一人の男の人生を変えた出来事を僕が語ってみよう。

 

まずは僕の話から。

 

<序章 僕>

僕は3.11の日に家にいて

地震が起きたことをテレビで知った。

 

東北で大惨事を引き起こした未曾有の災害。

それを僕はテレビ越しに眺めている。

外に出ても特に何も変わらない日常が続いていたことを良く覚えている。

 

初めは大地震が起きたらしい、建物が倒壊したらしい。

そんなぼんやりとした情報だった。

 

地震による大災害、その引き金の多くは津波の被害だろう。

遅れてきた津波は東北を覆いつくしてしまった。

 

僕はその映像を中継で見ていて

「非現実とはこういうことか」と対岸の火事を見ている気分だった。

 

それから・・・

テレビ局は報道一色、番組は自粛。

魔法の言葉が~CMが何度も何度も流れる。

 

東日本大震災は周辺の人のみならず、日本の人々全てを巻き込んで

あらゆる出来事の引き金になった。

 

<2章 ある男>

断っておくけれど

これは僕の話ではない。

東京に住んでいた、ある男の話だ。

 

ある男は東京の一流企業に勤めていて、充実した日々を送っていた。

交際していた女性との間に子供を授かり結婚、

このまま企業に勤め続けるんだろう、そう思っていた。

3.11に自らの運命が変わるとも知らず。

 

3.11に東日本大震災が発生。

東京も地震の被害に晒された。

人口の多い東京、直接的な被害は大きく無くとも

ビルは揺れ、帰宅は困難になり、そして何より。

人々の心を蝕んだ。

 

大震災、津波原発被害、報道規制、自粛。

ひとつひとつの出来事が積み重なって、

離れた東京の地に住んでいる男の家庭にも影響を及ぼす。

 

「将来子供に何かあったらどうするの?」

そんな問いを連日連日、妻に言われた男は子供の為に生きることを決意した。

それまでの人生、自分のやりたいように、好き勝手に生きてきた人生にサヨナラを告げる決意を。

 

<3章 僕>

何の被害も受けていない、僕の心も平穏とはいかなかった。

日本はどうなってしまうのか・・・漠然とした不安と。

何も出来ない傍観者の自分への無力感と。

 

今振り返れば・・・

あの地震は多くの自分以外の人の人生を変えてしまったと思っていたけれど

きっと、僕の人生も地震によって変わってしまったんだろうと思う。

 

あの時に感じた自分への無力感、偽善への抵抗。

あの時、僕は働いていなかったから。

僕は募金を行わなかった。

 

親のお金で募金をしてどうするんだ。

募金をするエゴを満たすために他人のお金を消費する。

そんなエゴを僕は許さなかった。

 

でも、別にそれはそれで良かったのだと今思う。

偽善というエゴ、救われる人と満足する自分。

被災地へ出かけるタレント、何が善で何が偽善なのか。

それを決めるのは常に自分だ。

 

何がやりたいか、何が出来るか。

僕は真剣に考え続けた。

 

<4章 ある男>

決意をした男の行動は早かった。

仕事の引継ぎを行い、次の仕事の見通しを立て、震災被害者の受け入れ居住地への移転を申請した。

 

しかし・・・

申請は通らなかった。

震災被害者の希望はそれほど多かったのだろう。

 

仕方なく、男は別の受け入れ場所を捜す。

探し出した場所は恐らく男の希望からは離れていたが

男はその地に移り住むことを決意する。

 

そして妻と子供、先に受け入れ場所に送り、自身は東京に残り手続きを終わらせた。

 

そして全てを終えた男は東京を離れた。

何の当てもない、未開の土地へ。

 

<5章 僕>

震災から時間が過ぎてテレビで見る日常が戻ってくる。

僕の心も掻き乱されることは無くなったけれど

きっと、僕はあの日から自分を責め続けていた。

 

何の役にも立たない自分、何もしない自分。

そんな自分に嫌気が差して仕方なかった。

 

僕は物語を作りたかった。

誰かを救える物語。

かつての僕を救ってくれた物語達に敬意を払いつつも

僕こそが、僕の求める最高の物語を作りたいと、そう願っていた。

 

2012年11月29日、震災から暫く経って・・・

僕の人生は大きく変わる。

 

<6章 ある男>

未開の地へと降り立った男は、家族を養うために仕事を探す。

しかし、辺鄙な地に仕事はなく。

男は通勤時間のかかる繁華街で仕事を探すことになる。

 

未経験の販売の仕事を得た男は、

全国で売り上げ1位を目指すチームに何故か加わることになる。

 

全国有数の売り上げをを叩き出す周囲と

努力をしてもチーム最下位の男。

 

売り上げを伸ばすため、ノルマを果たすために

話術を鍛えた、物を売る辛さを学んだ。

それでも物を売るための悪に徹しきれない自分がいて・・・

 

連日詰められる日々、

店内BGMがトラウマになるほど男の精神は追い詰められる。

そうして、男は販売の仕事を辞めた。

 

<7章 僕>

2012年11月29日に、あるゲームが発売された。

僕はそのゲームを発売日に買った。

まさかその選択で人生が変わるとも思わず。

 

僕は打ちのめされる。

完璧なロジックと、僕が求める物語性。

今の時代には出来ない、熱意と労力。

全てが僕の心を震えさせ、感動させ、そして背筋が寒くなるほどの衝撃を与えた。

 

僕は毎日眠れなくなった。

そのゲームのことを考えては思いを馳せ、ロジックの素晴らしさを称え

人物を思い、背景を想像し、改めて物語の完璧さを痛感する。

 

僕のプライドは粉々に打ち砕かれた。

僕が求める最高の物語は、僕にしか作れない。

そんな中学生が持つような、青臭い思想を打ち砕き

そして何よりも。

 

そのゲームのテーマは「明日から始めよう」だったのだ。

 

<8章 ある男>

販売の仕事を辞めた男は、新しい仕事を探していた。

 

未来で長時間働くことになる会社にも目を通したが

その時にはその会社には行かなかった。

ここで男は、その会社に行く未来もあったと回想する。

 

結果的に、男は小さなゲーム会社で働くことになる。

何故そのゲーム会社を選んだのか?

僕はまだ知らないが

恐らく小さな会社なら裁量を与えられると思っていたのだろう。

 

男は自らの手腕により、始めから頭角を現していたが・・・

周囲からは「何を考えているか分からない」と評される。

 

販売の仕事に向いていないと感じた理由、それは男が人見知りだったこと。

男が他人に興味がなく、一人が好きだったことに由来するのだろう。

 

男は業務委託で、別会社に常駐することになる。

この先何年もお世話になる、その会社で。

男は仕事をし、信頼を得、自らの力で。

 

その男は独自の地位を獲得した。

 

<9章 僕>

「明日から始めよう」

この言葉はともすれば

怠惰の言い訳とも取れる。

 

しかし僕は、この言葉を胸に刻んだ。

今思えば、それは贈り物だったのだろう。

 

プライドを粉々に打ち砕かれたことで、僕は目標を失ってしまったけれど

それでも、僕は打ち砕かれた心をもう一度拾い集めて。

 

僕はようやく小さな一歩を踏み出した。

本当に小さな、些細な勇気。

僕にとっては大きな一歩となる。

 

iamyou.hatenablog.com

僕はブログを始めた。

誰のためでもなく、自分のために。

ブログ開設から、4年と1カ月経ち。

僕はまだ目標を達成していない。

 

今思えば、やはり僕は怖かったのだ。

自分の大切なもの、失いたくないもの

プライド、誇り、しまい込んだ感情を

外に出すことを恐れていた。

 

今なら分かる。

大したことではない、と。

 

何かを恐れる心は、

何かを守る心。

 

プライドだったり、誇りだったり。

自分の実力を知りたくない、と耳を塞ぐ。

 

大震災で人が得たものは、

壊れてしまっても、命さえあれば治すことが出来る。

そんなものじゃないだろうか。

 

失われた命と、震災地を立て直そうとする心。

失ってしまうからこそ、人はまた歩きだす。

失われた命に報いる為にも。

 

失わなければ、決して気付かずに過ごしていた

当たり前の現実を、毎日続けていく努力。

 

僕は生きる努力を始めた。

 

<10章 ある男>

男は小さな会社を切り盛りする立場になった。

 

男は自分が全国でどれくらいの位置にあるか考えるほどに、

自分の能力に自信を持っている。

手を抜いていても、仕事を人の何倍もこなせる。

 

きっと、震災から時間が経ち

3.11に脆く崩れ去ってしまった日常は掌に返ってきていた。

 

<終章 僕&・・・ >

生きる努力の果てに、僕はある会社に入る。

これまでの人生全てが反転するとも知らず。

 

Beginning To Be Contined ・・・