明日から始めよう

管理人ユウが思ったこと、感じたこと、考えたこと                                    Twitter:I_am_You4321 https://twitter.com/I_am_You4321

【時節】明日から始めよう

僕は世界中の誰よりも幸せなんだ。あの雪降る日に、肯定された命。そして、彼へ向けられる笑顔は、歳を重ねるにつれ増えていった。やっぱり俺は幸せものだ。そう、だから俺こそが、世界の悲しみを背負うべきなんだ。そんな彼へ捧げられた祝福。誕生日、おめでとう。どうか、みんなの言葉が届きますように。

 

この不完全な世界は、ありもしない完全を求めることしか出来ない。だから、私が偽り抜いてみせよう。私は偽り続けることしか出来ない偶像なのだから。切り落とした髪は覚悟の証。これが、私達の選んだ償いの道だ。

 

「正解のない選択に直面した時は―――自分の胸に手を当てて、問いただせばいい」

周りからどんな目でみられようとも、胸を張って生きる為に。

「自分にだけ、正直であればいい」

「何が赤で、何が緑で、何が青で、何が右で、何が左で――」

「――何が上で、何が下で、何が黒で、何で白で、何で黄色かは、誰も教えない、決めない、定めない」

始まりの季節を迎えていいのは、決着を付けた者だけだ。

 

「ここは天国じゃない。俺たちは天使じゃない。俺たちの住む地上に、そんな場所はありはしないんだ。あ、いや・・・・・・」

「さっきお前は、主の教えを気休めだと言ったな。うむ、しかり・・・・・・いまのお前に必要なのは、使途の伝えのこした福音なんぞよりも、気休めじみた暗示の呪文なのかもしれん」

「そして信仰に恃まないおまえは、それを福音に縁る必要がない。要は暗示にすがることで心を平静に保てればいいんだからな」

「そう、心が怒りや憎しみによって染まりそうなとき、それを制するための暗示、呪文、気休め・・・・・・」

「世界が平和でありますように」

「世界が平和でありますように! いいか。赦しがたい敵に出会ったらそう唱えて、何度でもそう唱えて、必死で心を平静に保ちなさい。さもなければおまえは――」

 

「俺はいつか言ったな。俺たちの住む場所に都合のいい逃げ場なんてない。ここは天国じゃないんだ」

「だがな、俺はおまえたちを見てると思うんだ。確かに俺たちは天使じゃないし、空を飛ぶことなんて出来ない」

「それでも羽ばたくことくらいは出来るんじゃないか。きっとおまえたち全員の力を合わせれば、この地上でも楽しく生きられるさ。なあ、おまえたち――」

俺はおじいさんの手紙をしまおうとして、もう一度だけ開いてみた。思わず笑いが漏れるおどけた結び文。

なあ、おまえたち――

俺たちに翼はないこともないらしいぞ」